yasの怖い話2018 第六夜 ( 幽霊、心霊 )

呪いのビデオ

昨年「呪いのビデオ」の話をアップしたが似たような話を聞いたのでアップする事にします。

主人公を仮に鈴木君としましょうか。

同じ様に25年くらい前にビデオカメラを購入して仲間を撮影して遊んでいたらしい。

当時は「走り屋」とか言って夜な夜な峠で決められた区間のタイムを競ったり、ドリフト走行をしたり、そんな奴らが週末になると彼方此方の山に集まっていました。

鈴木君もそういう連中がいる事は知っていたし、自分も愛車で峠を何度か走った事があった。

そこで、この「走り屋」達を映像に納め様と考えた。

そこで一番ギャラリーが多いコーナーで撮影を行う事にした。

一番ギャラリーが多いコーナーはコーナーが鋭角でコース取りや、シフトワーク、ペダルワークを上手く行わないとモタモタしてしまうので走る側からしても一番の腕の見せ場でもあった。

同時に、ギリギリまで攻めるので自分の腕を過信すると事故ってしまう。

撮影位置は登りでコーナー出口手前くらいのコンクリート土留めの上に陣取った。

登ってくる車は其々のテクニックを駆使してコーナーを抜けていく。

我ながらカッコイイ映像が撮れたと思ったそうです。

登れば当然、下りて来る訳で下りでも攻める人がいるのでそれも映像に収めようとカメラを回した。

すると助手席に女性が乗っている。

車の中に乗っているのにやけに目立った…というよりも白っぽかったと言った方が良いかもしれない。

次の瞬間“キキキキィィィィィ”“ガシャン”と嫌な音がした。

オーバースピードでガードレールに突っ込んだようだ。

そうなるとギャラリーは突然、事故った車や周辺の怪我人の救護班と二次災害を起さない為の道路誘導班に分かれて動き出す。

当時は携帯電話など無かったので(あっても当時の物では電波が繋がらなかったと思う)状況によっては麓まで車を走らせて公衆電話から救急車の手配をする者やレッカー車の斡旋をするものまでいた。

鈴木君は事故った車を見て「あれ?」と思った。

運転手はいるが、助手席にいた彼女がいない?

「同乗者は?」と聞くと「一人だよ」と答えが来た。

「見間違えだったかな?」と思いながら事故処理が終わったら自然解散となった。

家に帰ってビデオを見直すと事故った車が目の前を通り過ぎる瞬間、女が助手席に乗っている。

やけに白っぽくて、ぼんやりと発光している様な…

気になったので次の週も同じ場所でビデオを回していたそうです。

何事も無く普通にというか、何時もの様にけたたましい音を上げゴムの焼ける臭いを放ちながら猛スピードで車が走り抜けていく。

少し場所を代えて先週車がぶつかったガードレールの後ろに移動した。

カメラを回していると一台の車が結構な勢いで下って来た。

車が向きを変えタイヤが甲高い音を上げるが横滑りが止まらない。

そのままガードレールに横向きで突っ込んできた。

その時カメラのファインダーを覗いていた鈴木君に見えていたのは、迫ってくる車の助手席から乗り出すようにして女が手を差し伸べている姿。

思いっきり吃驚して思わずカメラを投げつけてしまった。

カメラは‟ガシャ”と音を立てて傾斜のある草むらに落ちて行った。

咄嗟とは言え、慌ててカメラを拾いに行くとカメラは壊れていました。

それから彼はあまり動画というモノに好い感じを受けないのだそうです。

因みに録画したテープはカメラが壊れたはずみに飛び出したらしく、かなり探したのですが見つからなかったのだそうです。